プラスチックの初歩(カラーリング)

エコプラスプラスチックの着色方法

プラスチックを着色する際に用いられる代表的方法

  1. ドライカラーブレンド(Dry Color Blend)
    粉体の着色剤(ドライカラー)をナチュラルカラーペレットに直接まぶした状態で、射出成形する方法
  2. カラーマスターバッチ(Color Master Batch)
    ドライカラー着色剤を樹脂に溶かして混ぜて、濃縮カラーマスターバッチペレット化した状態にし、ナチュラルペレットと一定割合に混合させて、射出成形する方法。
  3. キューブブレンド(Cube Blend)
    タンブラーと言う機械を用いて、2のカラーマスターバッチペレットとナチュラルカラーペレットを一定割合ブレンドした状態にし、射出成形する方法。
  4. 練り込み着色(Fully Color Compound)
    コンパウンド加工の際に、着色剤も同時に添加し、溶融状態を経て、ペレット内に均一に分散着色された状態にし、射出成形する方法。

1.ドライカラーブレンド方法のメリット/デメリット

メリット

  • 専用の設備や機械が無くても、少量ならば、粉体ドライカラーをその場で未着色の樹脂に混ぜられる。
  • ごく小ロット、短納期でも、着色が可能なので、試作生産に向いている。

デメリット

  • ドライカラーの粉体が飛散して、作業環境が悪化しやすい。
  • ドライカラーの粉体が飛散して、ドライヤー、フィーダーのフィルターに目詰りを起こし易い。
  • 作業後の掃除、色替作業の負担が大きい。
  • 殆どの成形メーカーで、この作業は嫌われる。

2.カラーマスターバッチ使用のメリット/デメリット

メリット

  • 作業環境はドライカラー使用時に比べて大幅に改善される。
  • カラーマスターバッチを各色用意すれば、ナチュラル材ペレットを共通に利用できるので、原料在庫の圧縮が可能
  • 成形現場で、必要量だけ混ぜる事も可能なので、小ロット生産に対応し易い

デメリット

  • 色ムラが出易い(特に、粉砕スプルー、ランナーを再利用し出すと、色目が濃くなる傾向がある。)
  • 使う前に、カラーマスターバッチをナチュラルペレットとブレンドする必要がある。
  • 万が一、品質問題が発生した時、マスターバッチ側に問題が有るのか、ナチュラルペレット側に問題が有るのか、若しくはそのブレンド工程に問題が有るのか、責任範囲を含め原因追求が複雑になる。

3.キューブブレンドのメリット/デメリット

メリット

  • 乾燥すれば、すぐに射出成形できる。
  • 納期が練り込み着色方法と比べて、一般的には早い
  • キューブブレンドの際、ペレット状の離型剤や耐候性安定剤も一緒に合わせて、ブレンドできる。

デメリット

  • 基本的にはマスターバッチ着色なので、色ムラが発生し易い。
  • タンブラーサイズにもよるが、タンブラー加工の為、小ロット対応が難しい。
  • タンブリングを行うので、タンブラー追加コストが発生するが、練込着色プロセスコストよりは安い。
  • 一度均一にマスターバッチを未着色ペレットにブレンドして出荷しても、ペレットの比重や形状の違いから、移送中に分離が進んでしまう危険性がある。

4.練り込み着色のメリット/デメリット

メリット

  • 最も均一で安定した着色成形品の色目が得られる
  • 耐衝撃性グレード(ゴム入り)やガラス繊維強化グレードの場合、均一で美しい着色成形品の外観が得易い。
  • 着色されたペレットなので、材料品質保証が、色目を含めた着色品として性能と品質を確認できる。
  • つまり、色目も品質管理項目の一つとなる。

デメリット

  • 押し出し加工なので、小ロット対応が比較的難しい。
  • 納入リードタイムも ある程度必要。

プラスチック着色方法のまとめ

  • 大別して1ドライカラー着色、2マスターバッチ着色、3キューブブレンド着色、4練り込み着色と、4種類の着色方法について説明を行った。
  • 最適な着色方法は、その状況によって異なるので、どれが最善とは言い難い。
  • しかし、量産時のハンドリングの良さや、成形の安定性を考慮すれば、練り込み着色が最も優れている。
  • カラーも製品品質の一つと考えている当社製品製造では、この練り込み着色を、標準着色方法に採用しています。

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